セットプレーから1得点2アシスト…順天堂大DF杉山直宏はSBで結果を残し「プレーに自信がついた」

[JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦1部・第18節(11月21日)/早稲田大学 0-5 順天堂大学]

取材・文=柿崎優成

 リザーブスタートのDF三國スティビアエブス(水戸ホーリーホック加入内定)に代わってキャプテンマークを巻いた順天堂大学のDF杉山直宏は、圧巻のパフォーマンスでチームを勝利に導いた。

 11月21日に行われた早稲田大学戦。順天堂大ペースで試合が進むと12分、21分のCKで「練習から狙っていた」形から杉山がMF小林里駆とMF寺山翼のゴールを演出。さらに39分、MF白井海斗の得点で1点を加えた順天堂大は3-0で折り返した。

 後半も順天堂大が主導権を握った。後方のビルドアップからサイド攻撃、攻撃陣のコンビネーションプレーから再三チャンスを作り追加点を狙う。すると71分、ゴール右寄りで得たFKを杉山が決めて4点目を奪取。80分には前掛かりになった早稲田大守備陣の裏に走った杉山がドリブルで突破して小林につなぎ、パスを受けた白井がミドルシュートを突き刺して順天堂大応援スタンドをどよめかせた。試合は5-0の圧勝で順天堂大が勝ち点3を重ね、暫定ながら3位に浮上した。

「前回対戦では0-3で負けて、後期リーグでは勝ち切ろうと話していた。みんなでつかみ取った勝利」と杉山が言うように、シュート数は相手の2倍近い13本を放ち、守ってはGK佐藤久弥を中心としたDF陣がピンチと言える場面を最小限に抑えて首位・早稲田大を完封した。

 5得点のうち4得点に絡んだ杉山。彼の活躍はシーズンをとおして数字にも表れている。今シーズンのリーグ戦ではここまで5得点7アシストを記録。アシストランキングでは全体の2位につけている。

 昨シーズンまではなかなか出場機会に恵まれなかったが、今シーズンは全試合に出場し、「プレーに自信がついた」と手応えを得ている。もともとは攻撃的なポジションを本職とするが、最近の試合では左サイドバックでの起用が多い。

「サイドバックは攻撃の起点となることを求められるポジション。できるだけ攻撃参加を多くしようと思っていて、積極的に上がることを心掛けている。守備面では、以前は裏へのケアなどを意識したことがなかったので、今は練習から取り組んでいる」

 不慣れなポジションでも強みである攻撃面の積極性を活かしながら、守備面での課題改善にも取り組み、サイドバックとしての地位を築いている。早稲田大戦では細かいタッチから相手DFをかわしてペナルティエリアに侵入したり、タイミングを見計らったオーバーラップなどでチャンスを演出し、攻撃に厚みを加えた。一方、守備面では一対一での突破を許さず、チームに安定感をもたらした。

 将来的には「海外でプレーしたい」と目標を持つ杉山。まずは残りのリーグ戦で一つでも上の順位につけ、来年1月に開催される全国大会に出場し、大学サッカーの集大成を飾ることを目指している。