「ゲームをつくる部分で引っ張っていく」…横浜FC内定・法政大 DF高木友也、準優勝の悔しさを糧にプロの世界へ

[『#atarimaeni CUP サッカーができる当たり前に、ありがとう!』決勝戦(1月23日)/法政大学 0-1 東海大学]

取材・文=柿崎優成
写真提供=関東大学サッカー連盟/飯嶋玲子

 プロ内定者8名を擁する法政大学と、県リーグ所属ながら“下剋上”を果たし勝ち上がってきた東海大学が激突した『#atarimaeni CUP』決勝戦。今大会で旋風を巻き起こしている東海大に対して、法政大のDF高木友也は「明治大や順天堂大を倒してきたチーム。格下という気持ちはなくて、セットプレーとロングスローも警戒していた」と戦前の印象を話す。

 試合は前半から法政大がボールを持つ時間が長く、“ハーフコートゲーム”に近い内容だった。連続性のあるパスワークから相手陣内で再三チャンスを演出。高木は同サイドのMF長谷川元希とともに攻撃の起点となり、サイドを崩してクロスを上げたり、ペナルティエリア内に侵入して相手ゴールに迫った。

 しかし、スコアを動かせないまま時間が経過していき、72分、一瞬の隙を突かれてしまった。東海大の右CKの流れからゴール前の混戦の中で押し込まれ失点。法政大は終盤、攻勢を強め、ラストプレーのCKではGK中野小次郎も前線に上げて反撃を試みたが1点が遠く、0-1で東海大に敗れた。高木は「試合を優位に進めていたけど、後半入りの悪い流れを立ちきれなかった。もったいない負けだった」と悔しさを滲ませた。

 法政大は新型コロナウイルスのクラスター発生に伴う活動停止を経て、12月に公式戦への参戦を再開した。異例の過密日程が組まれたが、6勝2分1敗の成績で『#atarimaeni CUP』への出場権をつかむと、勢いのままに今大会の決勝まで勝ち進んできた。優勝という結果で有終の美を飾ることは叶わなかったが、高木は「チーム全員が『優勝するために何が必要か』考えられたからこそ、ここまで来れた。後輩たちは優勝できる選手が揃っている。この結果を忘れずに明日から切り替えて頑張ってほしい」と新チームに期待を寄せた。

 高木ら4年生は1年時から出場機会を得た選手が多い学年。高木も 1年時の後期リーグから頭角を現し、不動の地位を築いてきた。4年間でリーグ優勝には届かなかったものの、総理大臣杯で2回、インカレで2回決勝に進出。また昨年、1年早くプロ入りしたFW上田綺世(鹿島アントラーズ)を筆頭に、GK中野小次郎(北海道コンサドーレ札幌内定)、DF関口正大、MF長谷川元希(ともにヴァンフォーレ甲府内定)、DF森岡陸(ジュビロ磐田内定)、DF宮部大己(松本山雅FC内定)、DF城和隼颯(ザスパクサツ群馬内定)、FW平山駿(ギラヴァンツ北九州内定)、そして横浜FCに加入する高木と計9名のプロ選手が誕生した。高木は「上田綺世に近づきたいという気持ちで取り組んできた。高め合える存在が身近にいて良かった」と同期の存在に感謝を示した。

 高木は2020シーズン、YBCルヴァンカップで横浜FCでのデビューを果たしている。来たるプロ生活の幕開けに向け、「まずは開幕スタメンを狙いたい。ゲームをつくる部分で引っ張っていけるような存在に1年目からなっていきたい」と意気込んだ。

 大学最後の大会で準優勝に終わった悔しさをバネに、次なる舞台へ進んでいく。