J2でフル出場から中2日の強行軍…山口加入内定・慶應大DF橋本健人が3得点に絡む大活躍

[JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦1部・第5節(8月1日)/中央大学 0-3 慶應義塾大学]

取材・文=柿崎優成

 慶應大は後半に3得点を挙げ、中央大に勝利した。「攻撃される時間が多かったけど、DF陣がゼロで抑えてくれて良かった」と振り返ったのは、ベンチスタートで戦況を見守り、出場機会を待っていたDF橋本健人だ。

 遡ること3日前の水曜日。彼は2022シーズンからの加入が内定しているレノファ山口FCの一員としてV・ファーレン長崎戦にスタメン出場した。90分間フル出場したうえ、山口から東京への長距離移動も強いられたが、「リカバリーしてから戻ってきたので、疲労を感じずに今日の試合に臨めた」と出来得る限りの準備を尽くしてきた。

「後半から勝負に出る」という淺海友峰監督の方針の下、橋本は後半開始と同時にピッチへ。すると、「自分が攻撃の中心を担っている」と自負するアタッカーは、攻撃のタクトを振るい、ピッチの空気を一変させた。この采配が的中し、62分、橋本の左CKから先制点が生まれる。「セットプレーは練習からこだわっていて、味方のストーンの裏を狙った」という精度の高いキックはFW古川紘平の頭にピタリと合い、劣勢の流れを変えるきっかけとなった。

 その6分後には、中央大のセットプレーをクリアしたところからロングカウンターが炸裂。自陣からスプリントした橋本はそのままゴール前まで駆け上がり、MF山本献の折り返しを右足で合わせ、ゴールネットを揺らした。「ランニングのところは特徴を出せた」と連戦の疲労を感じさせずに追加点をもたらした。

 極めつけは88分、ビハインドの中央大が攻勢を強めるなか、橋本は自陣で味方選手がパスカットしたボールを拾いドリブルを開始。巧みに相手DF3人をかわすと、待ち構えていた古川にラストパスを供給し、勝負を決定づける3点目をお膳立てした。

 前節の法政大学戦に続き、橋本は全ゴールに絡む活躍を見せた。チームに欠かせない存在となっているが、それでも彼はチームコンセプトを大事に戦っている。慶應大のサッカーは、守備から入るのが基本。守備が安定してこそ、「攻撃面は自由にやっていいと言われている」という橋本の攻撃性が活きる。橋本は無失点に抑えた守備陣の奮闘に感謝しながら、攻撃陣をけん引している。

 慶應大と山口との二足わらじを履く彼の活躍ぶりは、大学サッカーの枠に収まらない。荒鷲軍団の上位進出に貢献しながら、Jリーグの舞台でも輝きを増していくだろう。