取材・文=柿崎優成
順天堂大学の3年生 MF新関成弥は、「今が頑張りどき」と自分自身に言い聞かせながら『#atarimaeni CUP』で好アピールを見せている。
11日に行われた桐蔭横浜大学との3回戦では、33分、杉山直宏(ロアッソ熊本内定)のCKに相手DFのマークを振り切ってヘディングで合わせ、「初戦と前回の四国学院大学戦でチャンスがあって決められなかった。CKやクロスからのヘディングは自信があって、今日はしっかり決められて良かった」と安堵の表情を覗かせた。
1年時は開幕からチームの主力となりリーグ戦18試合に出場したが、全日本大学選手権(インカレ)では出場機会を与えられなかった。2年時も1シーズン通して出場機会が少なく、3年生になった今シーズンは、第15節の桐蔭横浜大戦でようやく今シーズン初出場を果たした。
「難しい時期があってもめげずにやって来たことが今につながっていると思うし、自分が結果を残すことで、同じ状況で苦しんでいる周りの選手たちを勇気づけられると思う」
苦しい時期を乗り越えた要因として心身の成長がある。攻撃が売りの新関にとって弱点は守備にあった。堀池巧監督から口酸っぱく守備の対応について指摘されてきた。当初は「自分の考えと合わない」と思うことがあった。しかし、次第に自身と向き合い、改善すべき点から目をそらさなくなった。
「堀池さんが言うことをまず受け入れるようにした。すると、プレー中に感じることと、映像で自分のプレーを客観視した時に感じることが違って、自分のダメなところを考えて、修正していけたのが良かった。相手チームのスタイルによってサッカーのやり方が変わる分、守備の対応は難しいですけど、しっかり対応しないと次のステージで絶対に通用しないと思うので、少しずつ改善してきたい」
堀池監督も新関の変化を感じ取っている。「ここ何試合かは守備をよくやってくれて、『そんなに守備が好きなのかな』って思うぐらい。今日の試合はサイドバックの小川真輝を助けてくれた」と桐蔭横浜大戦での新関のプレーを評価した。
プロ入りを目指す新関にとって、多くのJクラブスカウトが見守る全国大会はアピールの舞台。「今日はゴールという形で結果を残せたけど、自分は3年で、こういう大会で結果を残さないと進路に関わる」と気を引き締める。
順天堂大学の全国大会ベスト4進出は2年前のインカレ以来。21日の準決勝・東海大学戦に向け、油断はない。