昇格最有力・流経大が開幕2連勝…ハイプレスで日大を圧倒し、主導権渡さず

取材・文=柿崎優成

 JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ2部の第2節が7月11日に開催。開幕戦で東京国際大に勝利した流通経済大学と、今節が初戦となる日本大学が対戦した。

 後方から試合を組み立てる日大に対して、ハイプレスが特徴の流経大が襲い掛かった。開始早々からエンジン全開で相手陣内に押し込み、7分に先制する。球際の攻防からボールを奪い、細かいパスをつなぐと、MF仙波大志からのパスで最終ラインの裏に抜けたFW齊藤聖七が落ち着いて流し込んだ。

 その後も流経大は激しいプレスで日大のビルドアップを封じ、試合のペースを握る。すると31分、追加点が決まる。日大GK山内康太のキックミスを拾って両サイドに揺さぶり、右サイドの位置から仙波が浮き球を送ると、最終ラインの裏に抜けたMF加藤千尋がペナルティエリア深くに走り込み、折り返しをフリーの齊藤がシュート。流経大の中野雄二監督が「動き出しやプルアウェイの仕方は、天性の感覚を持っている」と評価する2年生エース・齊藤の活躍により、流経大がリードを広げた。

 流経大はプレーの強度を下げることなく、フルスプリントとハイプレスでゲームを支配して前半45分を戦った。特に印象的だったのは、両サイドバックのMF宮本優太とMF佐々木旭のプレーエリアが非常に高かったこと。それを上手く続けられた要因には、センターバックのMF伊藤敦樹とDF野々村鷹人が広範囲をカバーしていたことや、アンカーの位置で起用されたMF安居海渡が攻守のバランスを取っていたことが挙げられる。

 後半に入ると、布陣を3バックから4バックに変更した日大が、ボランチのMF大森渚生を起点に攻撃の形を作った。「前半はなかなかボールに触れず上手くいかなかったので、自分がビルドアップの起点になって、前の選手に預けるプレーを意識した。また、相手のスピードが速い中で、早くポジションを取ることを心掛けた」と大森。前半に比べ、パスの配給から前線に至るまでがスムーズになり、相手のミスから決定機も作り出した。しかし、チャンスを活かしきれず無得点。川津博一監督は「決められないところが今の実力。最初のチャンスを決めていれば流れも違っていた」と唇を噛んだ。

 後半はスコアが動かず、2-0のまま試合終了。流経大は後半の試合運びに課題を残したものの、2連勝を飾った。一方の日大は、試合中の修正力こそ垣間見せたものの、シーズン初戦の硬さもあってか、持ち味を発揮しきれずに90分間を終えた。

 次節、流経大は同じく開幕2連勝中の拓殖大学と対戦する。日大は初勝利を目指し、神奈川大学との一戦に臨む。