立て続けの失点で痛恨の逆転負け…清水ユースDF菊地脩太「1点取られた後のメンタル面が重要」

[高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEAST2021・第15節(10月17日)/FC東京U-18 2-1 清水ユース]

取材・文=柿崎優成、写真=工藤栞

 悪天候の中で迎えた『高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2021 EAST』第15節。リーグ再開後初勝利を目指す清水エスパルスユースは、3試合勝利のないFC東京U-18とアウェイで対戦した。

 清水ユースは12分に左サイドでCKを得ると、ショートコーナーからMF金子星太とMF鈴木奎吾のパス交換で金子のコースを狙ったシュートが決まり、先制点を挙げた。

 立ち上がりの時間では長いパスを使って前線に繋げていたが、次第に強まってきた雨の影響で浮き球のパスが通らなくなると、短いパス回しから相手を翻弄して試合のペースを握った。右サイドハーフで起用されたFW田中侍賢がサイドで起点となり、斜めのパスを入れて変化を加えるシーンや、右サイドバック起用のMF渡邊啓佳がクロスを送る形などから多くのチャンスを演出。前半終盤には左サイドからの浮き球にFW斉藤柚樹が飛び込んだがわずかに逸れてしまい、1-0で試合を折り返した。

 ハーフタイムに岩下潤監督から「流れを相手に渡さないぞ」と声が掛かって後半に臨んだ清水ユース。ところが47分にCKからヘディングで決められスコアをイーブンに戻されると、53分にはカウンターから失点。「後半のスタートでやられてしまい、相手の勢いが増していった」とDF菊地脩太がピッチで感じたように、自分たちのミスで与えたCKから失点し、前掛かりになったところで縦に速いFC東京U-18の攻撃を食い止められず、フリーでヘディングシュートを許してしまった。

 清水ユースは給水タイム明けから鈴木を軸に中央とサイドを使い分けながら何度もゴール前に迫ったが、寄せの速い相手ディフェンス陣を前にシュートを打たせてもらえない。前半顕著だったクロスを上げるシーンは減り、パス交換からの崩しでもホームの後押しを受けるFC東京U-18の後手を踏み、1-2のまま敗れた。

「前半は良い形を何回も作って、得点もして良い試合展開だった」と菊地が振り返ったように、攻撃の形やボールの運び方に手応えを得た。だが一方で、チームの課題としている“立て続けの失点”によって勝ち点を取りこぼし、首位・青森山田高校の背中が遠のいてしまった。

「失点した後に立て直す力やシュートチャンスで決めきる力がないと、1点差のゲームで勝てない。競り合いや攻撃時の球際でも課題が出た」と岩下監督。菊地も「1点取られた後のメンタル面が、連続で失点をしないために重要になってくる」と厳しい表情で語った。

 リーグ戦再開後のアウェイ2連戦では思うように勝ち点を積めなかったが、ここからはホームに戻って浦和レッドダイヤモンズユース戦、FC東京U-18戦が予定されている。

「中断前の横浜FCユース戦から3試合勝てていなくて、今が苦しい状況だと思っています。プレッシャーがたくさんある中でも自分たちからアクション起こしてやらなきゃ、上を向いていかない。ホーム2試合で勝って上に食らいついていきたい」(菊地)

 チームの真価が問われる2連戦が待ち受ける。