「ゴールまで見えた」桐蔭横浜大MF圓道将良、相手DFを切り裂くドリブルで決勝点を奪取

[JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦1部・第6節(5月15日)/桐蔭横浜大学 3-2 国士舘大学]

取材・文=柿崎優成

 桐蔭横浜大学は関東大学リーグ第1節の立正大学戦に勝利して以降、リーグ戦で4連敗を喫していた。また、先週行われた『天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会・神奈川県代表決定戦』決勝戦ではJ3のY.S.C.C.横浜に延長戦の末、敗北。嫌な流れを払拭するためにも、MF圓道将良は「悪い流れを打ち切らなければいけない危機感があった」と話す。

 5月15日、国士舘大学とのリーグ第6節は、43分にMF山口直也が左サイドからの巧みなドリブルから先制点をマークするも、前半終了間際にショートカウンターから失点し、同点で前半を折り返した。

 59分、左サイドでパスを回し、FW山田新のドリブル突破からFW寺沼星文がグラウンダーのパスをダイレクトで流し込んで再び勝ち越しに成功する。だが、連敗から脱出したいのは国士舘大も同じ。70分、見事なロングシュートを沈められ、スコアはイーブンに戻った。

 試合を決定づける得点が生まれたのは、それからわずか3分後の73分のことだった。桐蔭横浜大は相手陣内でボールを奪うと、寺沼からのパスを受けた圓道が向かってくるDFを1人振り切り、シュートコースを探りながらドリブルで侵入して勝ち越しゴールを奪取。試合は3-2で終了し、桐蔭横浜大はリーグ戦5試合ぶりの白星を飾った。

「今日はなかなか高い位置でボールを受けることができていなくて、(得点シーンは)やっと良い位置でもらえた。もらった時に『ゴールまで見えた』っていう感覚があったので、ドリブルで行こうと決めた」(圓道)

 圓道の本来のポジションはFWだが、攻撃陣にケガ人を多く抱えているチーム事情もあって、直近の試合ではサイドハーフで起用されている。桐蔭横浜大の安武亨監督は「器用で賢く、サイドハーフでも一定以上の水準でプレーしてくれる選手」と高く評価しており、圓道自身もサイドハーフでプレーすることについて、「FWと違って(相手DFを)背負って受けることが少なく、(サイドは)スペースが多くあるので特徴であるスピードが出しやすい」とやりがいを語る。

 圓道は「関東1部という高いレベルでやりたかった」という意志を持ち、旭川実業高校から桐蔭横浜大に進学した。2年時にはセカンドチームの『桐蔭横浜大学FC』でプレーし、関東社会人リーグを経験。「結果は伴わなかったですけど、関東大学1部リーグと変わらないレベルで試合経験を積めたのは大きかった」と当時を振り返る。

 3年時にはトップチームの一員として関東大学リーグの舞台を踏んだが、圓道のポジションは松本幹太(現モンテディオ山形)や鳥海芳樹(現ヴァンフォーレ甲府)、加々美登生(現岩手グルージャ盛岡)といった後のJリーガーたちの厚い壁に阻まれ、出場時間が限られていた。

「悩ましい時期があったけど、それでも途中から出たら『結果を残してやる』って気持ちはありました。後期リーグからは出場機会も増えて、それが今につながっていると思う」

 大学最終学年となった今シーズン、「プロ入りを目指すこと。チームとしては、(昨シーズン)全国大会でベスト8で負けてしまっているので、優勝できるように取り組んでいきたい」と明確な目標を示す圓道。目に見える結果を残し、チームを勝利に導いていく。