取材・文=柿崎優成
清水エスパルスユースは『第45回日本クラブユース選手権』で準々決勝に駒を進め、北海道コンサドーレ札幌U-18とベスト4進出を懸けて対戦した。
「立ち上がりの動きが良くなかった」と岩下潤監督が前半を振り返ったように、序盤から札幌U-18がペースを握る試合展開で、後手に回った清水ユースは劣勢を強いられた。すると18分にペナルティエリア手前から寄せきれない状態で札幌U-18のMF砂田匠にミドルシュートを打たれて失点。続けて25分、ドリブル突破に思わず手が出てしまいPKを献上。これをFW佐藤陽成に決められて0-2と厳しい状況に追い込まれた。
中盤でブロックを固めてくる相手に対して前進できず、DFの背後を狙った縦パスが増えた。DF田端琉聖のロングフィードからMF安藤阿雄依が抜け出してシュートに持ち込んだ場面は、札幌U-18のDFにクリアされ、1点が遠いまま前半を折り返した。
仕切り直しの後半だったが、開始早々に田端が2枚目のイエローカードを貰い退場処分に。1人少なくなった清水ユースはボールを丁寧につないで前線に運んだが、最後の局面を突破できない。
80分にMF鈴木奎吾の縦パスを受けたMF太田成美がつなぎ、途中出場のFW斉藤柚樹が右足を振り抜いて1点を返したものの、これで試合終了。清水ユースはベスト8で大会を後にした。
「ボールの失い方が悪かったり、サイドで突破できれば決定機というところでなかなかいけなかったり、攻撃面でダイナミックさを欠いた。ペナルティエリア内に侵入するところの質はずっと課題で、シュートにいけないシーンが多かったので、どうやってプレーの選択肢を増やしてシュートまで持ち込むか、改善していきたい」(岩下監督)
優勝を目標に邁進してきた清水ユースの戦いは、夢半ばで途絶えてしまった。主将の鈴木奎吾は「試合を重ねるごとに課題が出て、克服して積み上げてきて、良い形も作れた。でも、こういった試合で勝てなかったのは力不足」と今大会を振り返った。
清水ユースは今シーズンの公式戦において先制する試合がほとんどで、先行を許した試合は少なかった。前半でリードされるゲーム経験の少なさから、「リードされた状態から立て直せないという弱点が見つかった。前のめりになって攻め急ぎすぎたし、早めに1点返す力がなかった」と鈴木は言う。
今後は9月から再開するプレミアリーグEASTに向けて、レベルアップを図る期間に入る。「(ラウンド16で)横浜FCユースにリーグ戦のリベンジができたことはチームの成長した面だと思っている。9月からプレミアリーグEASTが始まるので、気持ちの面や技術面の向上を図りたい」(鈴木)。今大会を経て得た収穫と課題を糧にして、精進していく。