清水ユース、リーグ再開初戦は2点差追いつきドロー…岩下監督「最低限できた」

[高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEAST2021・第14節(10月10日)/柏レイソルU-18 2-2 清水ユース]

取材・文=柿崎優成

 9月いっぱいで緊急事態宣言が全面解除され、『高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2021 EAST』も再開した。清水エスパルスユースにとっては今節の柏レイソルU-18戦が再開初戦だが、柏U-18は1週間先にリーグ戦を再開している。

 前半開始と同時に前から来る柏U-18の攻撃陣に対し、清水ユースは後手を踏み、開始早々の3分に右サイドを攻略され失点を喫した。柏U-18のDF陣は、前からプレスを掛けてくる時もあれば、下がって守備網を形成する時もあり、柔軟な守備を前に清水ユースは苦戦を強いられた。

 それでもセンターバックの菊地脩太と和田晃生を起点に両サイドに大きく振って、MF安藤阿雄依や右サイドバックで起用されたMF渡邊啓佳がオーバーラップしてサイドから攻撃の形を作った。しかし、波状攻撃のチャンスは柏U-18GK近野勝大に防がれ、MF山田理矩とMF鈴木奎吾のパス交換からFW田中侍賢がゴール前に迫って放ったシュートも決まらず1点が遠い。すると41分にショートカウンターから柏U-18に追加点を決められ、0-2で前半を折り返した。

 このままでは終われない清水ユースは後半立ち上がりに息を吹き返す。48分、左サイドのスローインからFW千葉寛汰が受けてドリブルで侵入。折り返しを安藤が押し込み、1点を返した。「まずは追いつくことを考えて後半に入って、自分が最初のチャンスで点を取って勢いに乗れました」と安藤。

 勢いづく清水ユースは、ハーフタイムに岩下潤監督から出た「サイド攻撃を工夫しよう」という指示のもと、大きなサイドチェンジを減らし、パス交換から相手DFが寄せてくる前にクロスを上げる場面が増えた。しかし、クロスは高さで分のある柏U-18のDF陣に跳ね返されてしまう。

 それでも76分、和田のロングパスから相手DFの背後に抜けた千葉が味方の上がりを待ち、鈴木へパス。鈴木が上げたクロスボールをゴール前で構えていたFW斉藤柚樹が体勢を崩しながら頭で合わせて2-2の同点とした。

 その後も逆転を狙う清水ユースだったが次第に足が重くなり、あと一歩のところで及ばず、再開初戦は引き分けに終わった。

 クラブユース選手権後の8月17日、猛威を振るった新型コロナウイルスの影響で東海サッカー協会から対外試合の中止が発せられ、試合をする環境を失ってしまった。その間、トレーニングに励む一方で、トップチームが参加している『2021Jエリートリーグ』で出場機会を得た選手がいたり、9月25日にはトップチームとの練習試合に臨むなどレベルアップを図ってきた。

「クラブユース選手権を終えて対外試合禁止の時期に入ってしまい、高校生同士で試合ができませんでした。ただ、トップチームで試合をさせてもらえた選手が何人かいたりして、(状況として)恵まれたほうだったと思います」(岩下監督)

 とはいえ、リーグ戦ならではの空気感や強度は別物で、1週早く再開した柏U-18とは特に立ち上がりで試合勘の差が出てしまった。

「スタートのところで失点したり、決定機で決められなかったり、試合勘を取り戻すには時間かかるかなと感じましたし、対外試合ができる環境が選手にとって良い経験になると改めて思いました。課題が出た一方で、後半のスタートで1点取れたことや同点に追いつけたのは最低限できた部分。これから(試合の)空気感を思い出してくると思うので、1試合1試合できることを増やしていきたい」(岩下監督)

 次節は17日にアウェイのFC東京U-18戦が控えている。安藤は「自分自身、得点が少ないと感じている」と課題を口にし、「相手の裏を取ったり、特徴である速さを生かしたプレーを発揮することで改善していきたい」と向上を誓った。