2試合連続の7-0。まさに盤石の戦いぶりで、静岡学園は全国切符獲得に向かって一歩前進した。
対戦相手にも、“己との戦い”にも勝利した。5月19日に行われた3回戦の相手は、県Bリーグに所属する静岡北。プリンスリーグ東海を戦う静岡学園にとっては“格下”と言える。加えて、2回戦で浜松西を7-0で下した翌日の開催とあって、モチベーションの維持が難しい状況であった。
「昨日も同じでしたけど、相手がほぼ守備のチームで、それをこじ開けるのが課題だった。相手うんぬんというよりも、自分たちがどうサッカーをするのか。我々のサッカーは、相手が守備的だろうと攻撃的だろうと関係ないので、自分たちがどういう姿勢でやるのか考えるように選手たちに伝えた」(静岡学園・川口修監督)
その言葉どおり、立ち上がりから勢いを持って臨んだ静岡学園は、6分に関俊哉がマークした先制点を皮切りに、18分に再び関、22分には松村優太と、前半だけで3得点を奪う。後半に入っても攻撃の手を緩めず、47分に岩野寛太、52分に浅倉廉の得点でリードを広げると、さらに小山尚紀が2得点を挙げ、計4点を追加。61分には、2年生GK山下拓真を「公式戦の空気に触れさせるため」に前日に続いて途中出場させる余裕も見せながら完勝した。
2日連続での7-0というスコアに、川口監督は「攻撃的に、強気にいくのがうちのスタイル。それが表現できたことと、7点取って失点0で終えられたことはオッケー」と選手たちの戦いに及第点を与えた。一方で、その表情に満足の色はない。
「今日も変なボールの取られ方をして一発やられそうになった場面がありましたけど、そこはリスク管理を徹底するというよりも、“カウンターを食らわないチーム”を目指しているので、突き詰めていかないと。あとは、セットプレーやミドルシュートの精度を上げること。トーナメントを勝ち抜くためにはそこが重要になってくる」(川口監督)
どんなに良い試合をしようとも、最後に“頂点”に辿り着かなければ意味がない。指揮官と同様、選手たちも大勝という結果に浮かれるような様子は見せなかった。2年ぶりの全国大会出場まであと3試合。結果を求めながら、“静学スタイル”の完成度を高めていく。
文=平柳麻衣