途中出場の橋本健人と古川紘平が有言実行の3得点…慶應大が中央大に快勝

文=藤井圭、写真=柿崎優成

 8月1日、JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ1部の第5節が行われた。RKUフットボールフィールドA面での第1試合は、慶應義塾大学と中央大学が対戦。後半に3得点を奪った慶應大が3-0で勝利した。

 前半は、中央大が左サイドを起点に好機をつくった。9分には左サイドバック・DF岡井駿典の縦パスに抜け出したMF山崎希一がシュートしたものの、慶應大GK田原智司が正面でキャッチ。27分には中央からドリブルで攻め込み、一度クリアされたボールをMF和田悠汰が奪い返してミドルシュートを放った。しかし、これも慶應大GK田原のファインセーブで得点ならず。

 34分にはFW大久保智明が中央からドリブルで仕掛けてシュート。45+3分にも大久保がワンツーから抜け出して決定機をつくったものの、シュートはいずれも枠の左へ外れてしまう。大久保は前半のチャンスを「もうひとつ丁寧に、質のところを個人として高めたかった」と反省。中央大の佐藤健監督も「相手というよりは我々が精度を上げないといけない」と振り返った。

 前半をスコアレスで折り返すと、「後半、勝負に出ると決めていた」と慶應大の淺海友峰監督はハーフタイムにDF橋本健人、55分にはFW古川紘平を投入。「試合を決めてくるように」と監督が両選手に伝えると、押し込まれた前半をベンチから見ていた古川は「(橋本と)俺らで試合を決めようと話していた」と気合十分にピッチへ足を踏み入れた。

 すると、両選手のプレーから試合が動く。62分、橋本がCKを蹴ると、フリーで待ち構えていた古川が頭で決めて慶應大が先制。古川は「良いところに蹴るから、怖いところに入れと(橋本に)言われていた」と“有言実行”のゴールであったことを明かした。6分後にはMF山本献がペナルティエリア右から仕掛けて中央へ折り返すと、待っていた橋本が合わせてネットを揺らし、2-0と中央大との差を広げる。

 2点差とされた中央大は、途中出場のFW本間椋が右からチャンスをつくるも決めきれない。79分には同じく途中出場のFW上村尚輝から本間へパスを送り、本間は切り返してシュートまで持ち込んだが防がれてしまう。

 前掛かりになった中央大に対して慶應大は88分、橋本が右サイドからドリブルで3人をかわすと、最後は「信頼して待っていた」とパスを受けた古川が冷静に流し込み追加点を奪取。試合を決定づける3点目を決め、3-0で慶應大が勝利した。

 慶應大の淺海監督は「(前半)押し込まれるのは想定していた。ディフェンスラインの受け渡しで改善しなければいけないところがあったが、後半に改善できた」と試合を総括。また、CKとカウンターから首尾よく奪った3得点については、「少しできすぎだと思うが、よくやってくれた」と振り返った。

 対する中央大の佐藤監督は無得点に終わった攻撃陣に対し、「“勝つ”というもう一歩踏み込んだ気持ちを見せてほしかった。(守られても)勝たなければいけない。上に行くんだという気持ちが足りなかった」と評して、次戦以降の奮起に期待した。

 今節で2勝目を挙げた慶應大は次節、今シーズン未勝利の駒澤大学と激突。一方、3試合勝利なしとなった中央大は2位・早稲田大学と対戦する。