「流経大出身選手として恥じないように」…伊藤敦樹は全国ベスト8の悔しさ胸に、“古巣”浦和での活躍を誓う

[『#atarimaeni CUP サッカーができる当たり前に、ありがとう!』3回戦(1月10日)/法政大学 1-0 流通経済大学]

取材・文=藤井圭

「一つのミスから失点してしまった」。悔しさを滲ませたのは、流通経済大で10番を背負いキャプテンを務めた伊藤敦樹。 大学サッカーの特例全国大会『#atarimaeni CUP』の準々決勝で法政大に0-1と一歩及ばず。大会の悔しさと来シーズンへの課題を明かした。

 4バックのCBでスタメン出場した伊藤。183センチの長身を武器に相手FWを封じ込め、対人の強さと的確なカバーリングで相手のチャンスの芽を摘んだ。後半からは攻勢に出るため3バックに配置を変えたチームでも順応し、適応力の高さを見せた。

 しかし76分、法政大のヴァンフォーレ甲府内定MF長谷川元希のドリブル突破を防ぎきれず中央に折り返されると、FW飯島陸に決められて先制点を献上。その後は伊藤も前線にロングボールを供給し、攻撃の起点をつくったものの1点が遠く敗戦した。

「個の部分で自分のところからやられてしまったので、そこは甘さが出てるのかなと思う」

 今シーズンは関東大学リーグ戦で自身初の2部を経験。主将として、背番号10番として最終ラインからチームをけん引し、1部昇格とリーグ優勝に導いた。

「1年間キャプテンをやらせてもらって充実したシーズンを送ることができた。このチームには感謝しかない。4年生が少なく下級生が多く残ってるので、来年戦うことができる1部リーグでの飛躍に期待したい」

 また曹貴裁コーチから指導を受け、個人としても大きくレベルアップ。「練習からプロと同じ目線で指導してくれて、この1年間は自分の財産になった」と来シーズンから京都サンガF.C.の監督となる曹コーチへ感謝を伝えた。

 来シーズンはユース時代を過ごした浦和レッズへ“復帰”する。自身も幼い頃から赤いユニフォームを着てサポーターとして浦和を応援していた。「浦和出身なので、サポーターの前までプレーするのが本当に楽しみしかない」と埼玉スタジアム2002でのプレーを心待ちにしている。

 流経大から浦和への加入は宇賀神友弥以来11年ぶり。育成組織出身としてサポーターからの期待も高い。大学4年間では課題としていた守備を改善。ユースでは主にボランチでプレーしていたが、大学ではCBやSBもこなし、今シーズンはプロ目線での指導も受けながら主将としても成長した。

「流通経済大に来て4年間成長することができた。自分の武器である展開力やロングボールの質であったり、縦パスといったところと守備の部分は成長できたので、そういった点も注目してほしい。この流通経済大学出身選手として恥じないように1年目から浦和レッズで開幕戦から出られるよう頑張りたい」

 今大会の悔しさを胸に伊藤は再び赤いユニフォームに袖を通す。彼が埼スタのピッチで浦和をけん引する姿に期待だ。