新型コロナ感染による活動停止から復帰した立正大、過密日程が続く今後のカギは「選手層」

[JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦1部・第12節(10月10日)/国士舘大学 1-0 立正大学]

取材・文=柿崎優成

 立正大学にとっては8月1日以来、約2カ月ぶりのリーグ戦だった。8月6日、新型コロナウイルスの感染が複数選手から確認され、活動停止を命じられたのだ。

 自粛期間中は1日2時間の合同練習こそできていたものの、その内容は大学からの指示で制限が掛かり、思うように活動できなかった。自粛解除まで対外試合が一切できなかっただけでなく、紅白戦すら一度のみ。また、当初は前期リーグ最終節の筑波大学戦から復帰できる見込みだったが、大学側の判断により前期リーグ後の『「アミノバイタル」カップ2020第9回関東大学サッカートーナメント大会』からの参戦となった。
 
 そのアミノバイタル杯では、「ぶっつけ本番だった」という不安材料を払拭して神奈川大学、慶應義塾大学に勝利。準々決勝で早稲田大学に競り負けて順位決定戦に回ったものの、11月3日に行われる東海大学戦に勝利すれば、来年1月に開催される全国大会出場の可能性を残している。

 久々の公式戦で順調な滑り出しを見せ、迎えた後期リーグ開幕戦。持ち前のパスワークは雨でボールが伸びるピッチコンディションや国士舘大の寄せの速さに妨げられ、思うように発揮できないまま0-1で敗れた。

 主将の平松昇は「カウンターでやられてしまい、もったいない試合だった」と振り返った。また、杉田守監督は「体格差で劣っているなかで、自分たちの苦手な部分で勝負してしまった。冷静に足元でつなげていたら、得意のサイド攻撃などでチャンスを作れたと思う」とウィークポイントを突かれてしまったことを悔やんだ。

 消化試合数で他の大学より大きく後れを取っている立正大は、国士舘大戦から中3日で延期分の法政大学戦(2-0で勝利)に臨むなど、今後も過密日程が続いていく。「延期試合を含めた連戦が続くので、選手を入れ替えながら大きなケガ人を出さずに12月まで維持できるかが勝敗のカギになる」と杉田監督。

 選手層の面で言うと、国士舘大戦では1年生のドリブラーMF青島太一や正確なフィードと運動量に特徴のあるDF大室慶将らが途中出場で流れを変えるべく奮起した。次々にこなさなければならない実戦を経て選手たちが成長を遂げ、各々の持ち味を発揮できれば、過密日程を逆手に取って昨シーズンのような躍進を遂げることができるかもしれない。