トップチームデビュー済みの清水ユースDF菊地脩太、憧れの先輩から吸収してワンランク上のDFを目指す

[高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEAST2021・第13節(10月23日)/清水ユース 5-2 浦和ユース]

取材・文=柿崎優成

 古くからでサッカーどころで知られる清水の地域で生まれサッカーを始めた少年にとって清水エスパルスは目指すべきプロサッカーチームなのかもしれない。

 清水エスパルスユースのDF菊地脩太は8月17日にFW千葉寛汰とともにトップチーム昇格が発表された。菊地は千葉と同じくエスパルスのスクールからジュニアユース、ユースを経てトップチーム昇格を決めた生粋のエスパルス育ちの選手だ。

「5歳の時にエスパルスのスクールに行ったことから始まりました。トップ昇格目指す中で年初めのキャンプに呼ばれてなくて何が足りないのかを学んで変わろうと思いました。ジュニアユース入った時からトップ目指してやってきてトップ昇格に繋がって嬉しかったです」

 昇格が発表された翌日、一足先にプロのピッチに立つ。8月18日に行われた天皇杯ラウンド16の川崎フロンターレ戦。65分に片山瑛一に代わってプロデビューを果たした。試合は1-2で敗れるも幼少期から通った聖地IAIスタジアム日本平での試合は特別なものだったと振り返る。

「僕自身は楽しくプレーができた。と言うのも先輩からの声かけや、こういう試合ができるチャンスはなかなかないと思っていてチャレンジしようと臨んで上手くいくプレーもありました。声は出せないですけど拍手とかでピッチから感慨深いものがあったり自分がここでやっていくにはもっとレベルアップしていかないと思いました」

 時折参加するトップチームの練習を通じて「プレーの強度が違くて自分に何ができるかを練習や試合に行くたびに考えてます。自分の武器を出すことや先輩からいろいろな話を聞いて段々慣れていって自分の中で良いプレーが増えてきた」と自信を高めている。

 練習参加をするからこそ得られるものが多くCBに経験豊富な選手がいる中で菊地は「鈴木(義宜)選手や井林(章)選手からラインコントロールや監督の求めているピンチを作らせない守備について教えてもらってます」と話す。

 なかでも菊地は小学校時代に同じチームで憧れていた先輩、立田悠悟は特別な存在だ。

「小学校から見てきて一緒にプレーして良いものを見せてもらって学ぶことは多いです。ビルドアップのことについてアドバイスを頂きボールの持ち方、運び方を教えてもらいました」

 ビルドアップと言うように菊地のプレーの特徴として最後尾から縦パス一本で攻撃のスイッチを入れられる。リーグ戦直近2試合の柏レイソルU-18戦、FC東京U-18戦と縦に長いボールを蹴る回数は増えボールを大事にする清水ユースのサッカーに於いて正確無比なキックはチームの武器となっている。味方を信頼しているからこそ活かせるポイントを熟知していてMF安藤阿雄依を例に「(阿雄依は)スピードに自信ある選手で相手ディフェンダーと同ラインでスタートしても抜けると思っている」と話す。

 3試合勝利がなく是が非でもホームで勝ち点3が欲しかった浦和レッドダイヤモンズユース戦。開始早々に先制点を許すも、ここ2試合の経験から味方を鼓舞し続け攻撃陣の奮起を願った。チームは後半に千葉のハットトリックの活躍や安藤、MF金子星太の1得点ずつ挙げ5-2で4試合ぶりの勝利を掴んだ。

「最初1点取られて前回のFC東京U-18戦も、そうでしたけど逆転負けしてそういう経験してるからこそ自分たちは逆転できると思って戦えた」

 直近3試合は3-0から大逆転負け、0-2から追いつき勝ち点3に届かなかった試合、雨中の試合で1点に屈した試合といずれもピッチで苦しい経験したからこそ芽生える心境かもしれない。

 トップチームの練習の経験をチームに還元しているからこそチームに新しいエネルギーを生み出すことができる。ディフェンダーらしく次は無失点でチームを勝利に導きたい。

「前回の試合でショックを受けた部分もあってリベンジに燃えています。自分が変わればチームも変わると感じているので自分のプレーで変化を与えていきたいです」