日大、ポゼッションサッカーの片鱗を見せるも川津監督は流経大との「温度差」を指摘

[JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦2部・第2節/流通経済大学 2-0 日本大学]

取材・文=柿崎優成

 日大は前週の第1節から出場可能な状態であったが、相手大学の都合により試合が延期となったため、今節の流経大戦が初戦となった。昇格候補筆頭の相手に対し、ボールポゼッションから主導権を握るサッカーを展開しようと試みたものの、流経大のハイプレスに苦しみ、思うように攻撃の形を作れず。7分、31分と前半のうちに2失点を喫したことで、持ち味を発揮しにくくなってしまった。

 日大の川津博一監督は立ち上がりの出来に関して、「ウチは初戦で、相手は今シーズン2試合目。そこの差はあったと思う。試合の入り方に気をつけようと試合前に話したが、自分たちでボールロストして2失点してしまった」と悔やんだ。

 それでも後半は布陣を3バックから4バックに変え、相手のプレッシャーが早い中でもチャンスを作った。だが、「決められないところが今の実力」と川津監督。「優勝候補の流経大が相手で、チャンスが少ないことは想定していた。まだまだ経験が足りない」と振り返った。

 昨シーズンは舘幸希(湘南ベルマーレ)や金子拓郎(北海道コンサドーレ札幌)を擁し、前期リーグでは好スタートを切ったものの、後期リーグでは一転、なかなか勝ち点を積み上げられず、最終順位は8位に終わった。指揮官が挙げる課題は「メンタル面の弱さ」で、今シーズンに向けて改善を図ったが、今節においては、1年での1部復帰に向けて執念を燃やす流経大との「温度差」を見せつけられる格好となった。

 しかし、シーズンはまだ始まったばかり。90分間の中で志向するポゼッションサッカーの片鱗を見せることができたのも確かであり、収穫もあった。課題を改善しつつ、目指す方向を見失わずに突き詰めていくことが、勝利を手繰り寄せるカギとなるはずだ。