駒澤大が大量4得点で今季初勝利…宮崎鴻は空中戦の強さ発揮し、セットプレーから2得点

取材・文=柿崎優成

 8月9日、JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ1部の第6節が行われ、今シーズン未だ勝利のない駒澤大学が慶應義塾大学と対戦した。

 勝利がほしい駒澤大は、持ち味である前線の走力とフィジカルを活かし、慶應大を押し込む時間帯が続いた。前半1回目の給水タイムが終わるまでは相手陣内でプレーする時間が長く、慶應大に付け入る隙を与えない。すると、試合が動いたのは38分。MF米田泰盛が前線に浮き球を送ると、相手DFのクリアが中途半端になったボールをMF中間俊亘が拾ってゴール前にクロスを供給。これをMF島崎翔輝が流し込み、駒澤大が先制に成功した。

 その後はようやくボールが持てるようになった慶應大がMF松岡瑠夢や右サイドのMF内桶峻を中心に攻撃を組み立てようと試みたものの、駒澤大の最終ラインを破ることはできず、1-0で前半が終了した。

 後半に入ると、またしても駒澤大がチャンスをモノにした。48分、MF薬真寺孝弥の左CKキックをFW宮崎鴻が頭で合わせて2-0。これで勢いに乗った駒澤大は58分、右サイドのスペースに抜けたFW荒木駿太がグラウンダーのクロスを送ると、左サイドから駆け上がってきた米田が流し込み3点目。「前線でボールを動かして戦うことを練習から徹底的に取り組んできた」(秋田浩一監督)という駒澤大がペースを握り続け、得点を重ねていった。

 3点のリードを奪ってもなお攻め手を緩めない駒澤大は77分、右CKから宮崎が相手DFを振り切って自身2得点目をマーク。空中戦の強さを発揮し、左右のCKから得点を挙げた宮崎は、「良いボールを蹴ってくれたので、合わせるだけだった」とキッカーの薬真寺に感謝した。

 80分に慶應大が松岡の得点で1点を返したものの、反撃は及ばず、このまま試合終了。駒澤大が4-1で待望の今シーズン初白星を獲得した。2得点の活躍を見せた宮崎は、「勝利がないなか、得点に重点を置いて練習してきた結果だと思う」と、チームとして奪った4ゴールに練習での成果を感じたようだ。

 一方、敗れた慶應大の淺海友峰監督は、「駒澤大の気迫を感じて、思うようにいかなかった。セットプレーでフィジカルコンタクトの激しさが劣ってしまった」と2失点したセットプレーを課題の一つに挙げた。