清水ユース、前半3点リードも痛恨の逆転負け…「こういう経験は絶対活かさないといけない」

[高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEAST2021・第9節(7月4日)/横浜FCユース 4-3 清水ユース]

取材・文=柿崎優成

 プレミアリーグEASTで2位につける清水エスパルスユースは、連勝を目指して第9節・横浜FCユース戦に臨んだ。

 立ち上がりは横浜FCユースの前掛かりな攻撃の形から受けに回って防戦一方の展開となったが、先制したのは清水ユースだった。給水タイム明けの27分、「流れを変えたくて、相手DFの裏のところは狙っていた」というDF菊地脩太のロングパスを受けた左サイドのMF金子星太がクロスを上げると、DFに当たりオウンゴールを誘発。「仕掛けてクロスまでやり切る目標が自分にある中で、状況を変えたいと思っていた」と金子が言うように、ここから流れは清水ユースに傾く。

 34分にはDF石川晴大がオーバーラップして右サイド深くからクロスを上げると、GKに弾かれたボールが流れ、MF鈴木奎吾がミドルシュート。これが決まり、リードを広げた。さらに直後の35分、今度は鈴木のインターセプトから今シーズン初スタメンのFW田中侍賢がペナルティエリア右から切り返して左足で鮮やかに決め、スコアを3-0として前半を折り返した。

「立ち上がりは守備のところで後手を踏んでしまいましたが、給水タイム後に『自分たちからアクションを起こそう』ということで、奪いどころでボールが取れて前向きに戦えるようになり、3点取れました」と岩下潤監督が振り返ったように、前半の出来を踏まえたら勝利は確実かと思われた。

 しかし後半、リーグ戦5試合ぶりの勝利が欲しい横浜FCユースの逆襲に向けた勢いが加速してきた。前半から狙われた形である、サイドを軸にした縦に速い展開と前線の素早いパス回しを続けられると、55分に清水ユースの連携ミスからボールを奪われ、MF山崎太新に決められて失点。直後の57分にはCKからDF杉田隼にヘディングシュートを決められ、1点差に迫られた。

 何とか状況を落ち着かせたい清水ユースは、最終ラインで攻撃の芽を詰んで後ろからパスをつなごうと試みるが、なかなか反撃に転じられない。攻撃で起点を作れず、ボールを奪ってもクリアするのが精いっぱい。すると83分、ロングスローから同点に追い付かれると、わずか1分後の84分に4点目を浴び、3-4。前半と打って変わった展開で清水ユースは痛恨の逆転負けを喫した。

 立て続けの失点を2度受けるという厳しい試合展開。「1点取られた後にすぐ取られて修正することができなかった」と菊地が言うように、失点後に選手間でケアする声掛けはあったものの、失点と失点の間が短く、チームの中で上手く修正できなかった。

 また、金子は「(後半は)『失点しないようにしよう』という気持ちがあって、そうなると相手の勢いが強くなるのも当然。そういう状況で耐えられるか。今後自分たちが優勝を目指すにあたって必要になってくる」と課題を口にした。

 横浜FCユースと次に対戦するのは最終節。今試合を教訓に成長し、リベンジするしかない。

「後半の流れを食い止められなかった。こういう経験は絶対活かさないといけない。今回のことで(選手たちが)痛感してくれれば、意識も変わってくると思います。リーグ戦は長い期間戦って力をつけていくので、ウチも変わっていかないといけない。(2週間後の)FC東京U-18戦で何かしらの変化が見えたら良いなと思う」(岩下監督)

 リーグ全体を見れば今節で折り返しになるが、清水ユースは2週間後に第6節の延期試合でFC東京U-18と対戦する。逆転負けのショックから立ち上がり、良い状態で7月25日から始まる『第45回日本クラブユースサッカー選手権U-18大会』へとつなげたいところだ。